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情報通信白書2007年・ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開(8)

競争要因から見た我が国の情報通信産業の国際競争力(2)

(総務省「平成19年版情報通信白書」から抜粋引用)

●個別分野・携帯電話端末の競争状況
モバイル化が急速に進展する中、ユビキタスネット社会の中核的な端末として携帯電話端末の重要性が高まっています。携帯電話端末の世界市場における国別シェア(生産台数上位24社に含まれるベンダーのシェアを国別に合計し比較)で、日本は1997年(平成9年)には30%以上で、世界市場における国別シェアの1位を占めていましたが、徐々にシェアを下げ、2006年(平成18年)には7%を下回りました。それとは対照的に韓国はシェアを伸ばし、2005年(平成17年)以降は20%近いシェアで米国と2位を争うまでになっています。
帯電話端末の世界市場における国別シェアの推移 (%)
年度
1997
1999
2001
2003
2005
2006
フィンランド
14.8
27.9
26.8
22.7
28.0
30.9
韓国
2.1
9.2
9.9
12.3
16.2
18.2
米国
28.0
20.8
12.5
16.3
16.0
18.1
台湾
0.0
0.0
2.7
8.5
13.2
8.6
日本
33.1
22.7
22.8
13.2
11.0
6.8
中国
0.0
0.0
0.0
5.4
3.9
3.7
フランス
1.5
0.7
3.8
2.5
1.4
1.1
スウェーデン
11.7
12.8
6.0
2.3
3.4
2.0
その他
7.0
3.4
8.3
5.8
1.1
2.8
上位24社外
1.8
2.5
7.0
11.0
5.7
7.6
上位24社に含まれるベンダーのシェアを国別に合計、生産台数ベース
世界シェア1位
※ソニー・エリクソンについては、日本とスウェーデンに半分ずつシェアを振り分けています。

携帯電話端末の世界市場におけるベンダー別シェア
   (2006年・生産台数ベース)
ノキア(フィンランド)
30.9 %
モトローラ(米国)
18.1 %
サムスン電子(韓国)
11.8 %
LG 電子 (韓国)
6.4 %
ソニー・エリクソン
(日本/スウェーデン)
4.0 %
その他
28.7 %
※シェア3%以上を有する企業

●携帯電話端末の地域別市場規模
2001年に約9.64億人だった携帯電話の加入者数は、2005年には21.71億人と2倍以上に増加しました。成長の中心は、先進国から途上国にシフトしています。
世界における携帯電話の加入者数及びその割合の推移
 
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
日本
7.8 %
7.0 %
6.1 %
5.2 %
4.4 %
先進国(日本以外)
49.6 %
45.0 %
41.0 %
36.8 %
32.9 %
途上国
42.6 %
48.1 %
52.9 %
58.0 %
62.7 %
全体加入者数
9.64億人
11.66億人
14.14億人
17.59億人
21.71億人

●携帯電話端末の通信方式別市場規模
欧州で策定された通信方式であるGSMを利用した携帯電話端末の割合が、2006年には世界市場全体の約2/3(利用者数20億人超)を占めています。日本と韓国を除く世界のほぼ全域で採用され,事実上世界標準になっています(2003年にGSM方式加盟200カ国超)。
世界の携帯電話で利用される通信方式の割合
   (2006年・生産台数ベース)
GSM 方式
69.4 %
CDMA 方式
20.0 %
WCDMA 方式
10.0 %
その他
0.6 %
一方、日本の第2世代携帯電話で採用されているPDC方式は、日本以外の国ではほとんど普及せず、2006年における世界の携帯電話端末市場に占めるPDC方式の携帯電話端末のシェアは極めて小さいものになっています。

●携帯電話端末の通信方式別市場シェア
市場規模が最も大きいGSM方式の携帯電話端末市場では、欧米ベンダー2社が1位、2位を占め、この2社で50%以上のシェアを占めていています。同市場においては、日本ベンダーは、ソニー・エリクソンがシェア上位に入っている以外では、ほとんどシェアを取れていません。一方、PDC方式の携帯電話端末市場では、日本ベンダーがほぼ100%のシェアを占めています。
GSM方式携帯電話端末の世界市場におけるベンダー別シェア
   (2006年・生産台数)
ノキア(フィンランド)
36.2 %
モトローラ(米国)
20.1 %
サムスン電子(韓国)
10.6 %
ソニー・エリクソン(日本/スウェーデン)
3.8 %
LG電子(韓)
3.7 %
Flextronic(シンガポール)
3.3 %
BenQ(台湾)
3.3 %
FOXCONN(台湾)
3.1 %
その他
16.0 %

PDC方式携帯電話端末の世界市場におけるベンダー別シェア
   (2006年・生産台数)
シャープ(日本)
23.5 %
ソニー・エリクソン (日本/スウェーデン)
18.6 %
パナソニックモバイル(PMC)(日本)
17.6 %
NEC(日本)
16.7 %
東芝 (日本)
8.8 %
富士通 (日本)
6.9 %
セラ(日本)
4.9 %
三菱 電機 (日本)
2.9 %

GSM方式の世界市場では、シェアで大きな差をつけられた日本ベンダーですが、第3世代携帯電話のW-CDMA方式では、海外ベンダーと比べても競争力があり、一定のシェアを確保できています。
W-CDMA方式携帯電話端末の世界市場におけるベンダー別シェア
   (2006年・生産台数)
ノキア(フィンランド)
28.1 %
モトローラ(米国)
13.3 %
ソニー・エリクソン(日本/スウェーデン)
9.2 %
シャープ(日本)
8.7 %
サムスン電子(韓国)
8.2 %
LG電子(韓国)
7.1 %
パナソニックモバイル(PMC)(日本)
6.9 %
NEC(日本)
5.7 %
富士通(日本)
3.3 %
三菱電機()
3.1 %
その他
6.5 %

 

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