マメ知識:テザリング(tethering)
テザリングとは
単体で通信可能なスマートフォンやPCなどの端末を、他のPCや機器に有線、あるいは無線(Bluetoothや無線LAN)で接続し、ネットワークアダプタのように機能させて、WANに接続させる手法を指します。iPhoneの場合、無線LAN接続でのテザリング機能についている「パーソナル・ホットスポット」という名称が、この手法をよく表していると思います。
利用ユーザーのメリット
新たにデータ通信専用カードを購入したり、新規に契約を結ぶ必要なく、単体で通信可能なスマートフォンなどの利用と同時に、他のPCやゲーム機などのネット通信が利用可能になります。ただし、テザリング利用時のパケット通信上限料金が高くなるなど、既に利用している契約料金を超える場合もあります。
利用ユーザーのデメリット
他のPCをテザリング接続させた場合、スマートフォンや携帯電話とは違って、送受信するデータ量が圧倒的に増大します。繁華街など、ネット通信が多い場所では、繋がりにくくなることがあります。
通信事業者の対応
3G携帯電話のキャリアでは、無線通信回線のバックボーン等への負荷が増大して通信トラブル発生が予見されることから、帯域制限を導入するなどして、負荷の軽減をはかっています。
デザリングというのは間違い
ブログなどで、このテザリングを指して、「デザリング」と書いているのをよく見かけます。カタカナ外来語は、デザートとかデザイン、デジタルのように、第一音と第二音が濁音になるものが多いためでしょうか。
「デザリング」(もしくは、ディザリング:dithering) は、デジタル音響やデジタル動画のデータを処理する際に意図的にノイズを加える技法を指す言葉として、別に存在します。画像処理の場合、色数に制限のあるgifなどで、それ以上の色調を表現するため、存在する色のピクセルを点在させて、表現する手法を指します。
ちなみに、KDDIは2011年2月に、「デザリング」(テザリングではなく)の商標出願をしています。出願の【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】を見ると、「テザリング」とはやや違うようですが、このあたりも名称の混乱に影響があるのかもしれません。また、KDDIは同時に「デザリングケータイ」などいくつか別の商標も出願しています。