マメ知識:ラスター(Raster)とベクター(Vector)
ラスター(Raster)の意味:
画像を走査線に沿ってピクセルもしくは画素に分解、読み取りして、走査線毎に転送、このパターンをCRT(ブラウン管)の画面上で、一列の画像に戻す、これを繰り返して1枚の画面を表示する方式を「ラスタースキャン」と呼びます。
「ラスタースキャン」は、もともとCRTの主にテレビ受信機に使われていた名称ですが、PCが発達し、画像処理を行うコンピューターグラフィックスがさかんになると、同じくラスタースキャン方式のCRTディスプレイモニターが活躍するようになりました。そしてコンピューターグラフィックスでは、ビットマップ画像が広く使われ、この形式(画像を格子状にピクセルに分割)をピクセルが線上に配置されるラスター画像の集まりとして扱うようになりました。
その結果、ラスターもしくはラスターイメージ(画像)という名称は、ビットマップ画像と同義的に捉える人が多くなっています。特に画像処理ソフトのPhotoshopで、ベクターデータをビットマップに変換する処理を「ラスタライズ(ラスター化)」と呼ぶようになってから顕著になりました。
● ラスターイメージ(ビットマップ)の主な形式:
- JPEG:(ジェイペグ Joint Photographic Experts Group)拡張子:jpeg、jpg
一般的には非可逆圧縮の画像フォーマット - GIF:(ジフ、ギフ Graphics Interchange Format)拡張子:gif
256色以下の画像を扱うことができる可逆圧縮形式のファイルフォーマット - TIFF:(ティフ Tagged Image File Format)拡張子:tiff、tif
OS、ソフトに依存することが少ない汎用画像フォーマット - BMP:(ビーエムピー Microsoft Windows Bitmap Image)拡張子:bmp
Windows OSの標準ビットマップ画像形式 - PNG:(ピーエヌジー Portable Network Graphics)拡張子:png
可逆圧縮の画像ファイルフォーマット、既存のGIFの機能を拡張
ベクター(Vector)の意味:
ラスタースキャンに対して、画面上の座標を指定して点、直線、曲線、面等を直接描画する方式を「ベクタースキャン」と呼びます。初期のアーケードビデオゲームで主に利用されました。描画データが単純な数式でデータ量が少なかったため、当時非力だったハードでも滑らかにキャラクターを動かすことができました。しかし、その後ハードの能力が飛躍的に向上したため、グラフィック的に勝るラスタースキャンのゲームも高速化し、それに押され、ベクタースキャンのアーケードビデオゲームは姿を消していきました。
ベクターもしくはベクターイメージ(画像)という名称は、llustratorやFlashに代表される画像形式で、基本的にはパス(点から点までの間で曲線の度合いを持つ線)で構成され、点の座標、線の色、太さ、方向、角度、線が囲む領域の色、それぞれの透明度などをテキストの数式として記述された画像形式を指します。「ラスタースキャン」と相対する「ベクタースキャン」という関係から、「ラスター」に相対するものとして「ベクター」と呼ばれるようになりました。
● 「ベクター」のな特長:
- 拡大,縮小、回転しても描写の劣化は起きません。
- ファイルサイズがラスターに比べ軽量といわれてきました。確かに単純な画像なら極軽量です。しかし、最近はフォントやラスターのエンベッド(埋め込み)、複雑なパスのブレンドなど、内部情報量が増え、必ずしも軽量ではなくなってきています。
- さらに、ファイルサイズを小さく押さえたい場合、ラスターならそのファイルサイズはほぼ面積に比例するので、画面表示の画像サイズを小さくすればすみますが、ベクターは全ての情報を保持してしまうため、画面表示の画像サイズを小さくしてもファイルサイズは保持されてしまいます(小さくなりません)。
ラスターのQRコード画像をInkscapeでベクターデータに
ラスターのQRコード画像をwebサービス(Autotracer.org)を使ってベクターデータに