マメ知識:「コンプガチャ」規制の動き
コンプガチャに規制の動き
消費者庁によると、携帯電話やスマートフォンで利用されているソーシャルゲーム(SNSゲーム)内の「コンプガチャ」について、2010年から全国の消費生活センターに「子供が多額のお金を使った」などの相談がよせられ、2011年にはその数が急増していることから、「コンプガチャ」やソーシャルゲーム内の課金方法について、消費者庁によるなんらかの検討に入ったことを示唆していました。
4月24日には、消費者庁長官が記者会見の席で、ソーシャルゲームのガチャは、場合によっては、(景品表示法上の)景品にあたるとの見解を示し、なんらかの「規制」を示唆しました。
さらに5月8日、松原内閣府特命担当大臣(消費者担当相)が記者会見の席で、記者からの(コンプガチャは)「禁止されているカード合わせに当たるのでは」という質問に対して、「その提供は、告示で禁止されているカード合わせの方法を用いた懸賞によるものであれば、景品表示法上禁止される行為、つまりカード合わせの方法を用いた懸賞による景品類の提供に該当すると考えております」と答えています。
コンプガチャの提供終了(廃止)
3月、「コンプガチャ」の仕組みに景品表示法上の違法性があるのでは、という指摘に対して、ソーシャルゲームを展開している事業者6社(NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ドワンゴ、ミクシィ)が、6社連絡協議会を設置し、子供たちを中心に利用額の制限を設けるか検討を始めました。
5月9日、消費者庁が規制の動きをふまえて、6社連絡協議会は、各社が開発、運営しているソーシャルゲームなどのサービスにおいて、新規にリリースするゲームについて「コンプガチャ」の提供を行わないとする方針を発表しました。
同時に、現在運営中のソーシャルゲーム内の「コンプガチャ」についても、5月32日までに終了し、新たな「コンプガチャ」を提供しないことも発表しました。
また、連絡協議会としてのソーシャルゲーム・ガイドラインを作成、公開するとしています。
ただ、「コンプガチャ」がなくなっても、名称や仕組みをかえて、同様の課金システムが新たに登場してくる、という指摘もあります。
景品表示法上禁止される行為である「カード合わせ」とは
今回の「コンプガチャ」の違法性の指摘は、景品表示法上禁止される行為である「カード合わせ」にあたるというものです。
景品表示法上禁止される行為である「カード合わせ」とは、
「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」 第5項
「 二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、 異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、 してはならない。 」
追記:
消費者庁は、5月18日、「コンプガチャ」について、景品表示法に基づく告示で禁止されている「カード合わせ」に該当するという正式な見解を示しました。
あわせて、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準を7月1日に改正すると発表しています。改正は以下の項目が追加されます。
『 4 告示第五項(カード合わせ)について
(1)次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。
携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供す るアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦 うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム 上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。』
消費者庁ニュースリリース(pdf)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120518premiums_1.pdf