景品表示法(4) 懸賞による景品類の提供に関する事項の制限と、その運用基準
※このページの内容は、公正取引委員会・景品表示法のページから引用しました。
懸賞による景品類の提供に関する事項の制限
(昭和52年3月 1日公正取引委員会告示第 3号)
改正 昭和56年6月 6日公正取引委員会告示第13号
平成 8年2月16日公正取引委員会告示第 1号
不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号)第三条の規定に基づき、懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(昭和三十七年公正取引委員会告示第五号)の全部を次のように改正する。
- この告示において「懸賞」とは、次に掲げる方法によつて景品類の提供の相手方又は提供する景品類の価額を定めることをいう。
一 くじその他偶然性を利用して定める方法
二 特定の行為の優劣又は正誤によつて定める方法 - 懸賞により提供する景品類の最高額は、懸賞に係る取引の価額の二十倍の金額(当該金額が十万円を超える場合にあっては、十万円)を超えてはならない。
- 懸賞により提供する景品類の総額は、当該懸賞に係る取引の予定総額の百分の二を超えてはならない。
- 前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合において、懸賞により景品類を提 供するときは、景品類の最高額は三十万円を超えない額、景品類の総額は懸賞に係る取 引の予定総額の百分の三を超えない額とすることができる。ただし、他の事業者の参加 を不当に制限する場合は、この限りでない。
一 一定の地域における小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合
二 一の商店街に属する小売業者又はサービス業者の相当多数が共同して行う場合。ただし、中元、年末等の時期において、年3回を限度とし、かつ、年間通算して七十日の期間内で行う場合に限る。
三 一定の地域において一定の種類の事業を行う事業者の相当多数が共同して行う場合 - 前三項の規定にかかわらず、二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、 異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。
※ 2012年5月、ソーシャルゲームを展開している事業者6社(NHN Japan、グリー、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、ドワンゴ、ミクシィ)が、各社のソーシャルゲーム内において「コンプガチャ(コンプリートガチャ)」の仕組みの提供終了を決定したのは、上記第5項により禁止される行為である「カード合わせ」にあたると判断したためです。
コンプガチャ(コンプリートガチャ)とは
「コンプガチャ」規制の動き
追記:
消費者庁は、5月18日、「コンプガチャ」について、景品表示法に基づく告示で禁止されている「カード合わせ」に該当するという正式な見解を示しました。
あわせて、『「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準について』を7月1日に改正、以下の項目が追加されます。
4 告示第五項(カード合わせ)について
(1)次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。
携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム 上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。
懸賞による景品類の提供に関する事項の制限
(昭和52年 4月 1日事務局長通達第 4号)
改正 昭和63年10月 1日事務局長通達第11号
平成 8年 2月16日事務局長通達第 1号
公正取引委員会の決定に基づき、「懸賞による景品類の提供に関する事項の制限」(昭和 五十二年公正取引委員会告示第三号)の運用基準を次のとおり定めたので、これによられ たい。
- 告示第一項第一号の「くじその他偶然性を利用して定める方法」について
これを例示すると、次のとおりである。
(1) 抽せん券を用いる方法
(2) レシート、商品の容器包装等を抽せん券として用いる方法
(3) 商品のうち、一部のものにのみ景品類を添付し、購入の際には相手方がいずれに添付され
ているかを判別できないようにしておく方法
(4) すべての商品に景品類を添付するが、その価額に差等があり、購入の際には相手方がその
価額を判別できないようにしておく方法
(5) いわゆる宝探し、じゃんけん等による方法 - 告示第一項第二号の「特定の行為の優劣又は正誤によって定める方法」についてこれを
例示すると、次のとおりである。
(1) 応募の際一般に明らかでない事項(例 その年の十大ニュース)について予想を募 集し、その
回答の優劣又は正誤によって定める方法
(2) キャッチフレーズ、写真、商品の改良の工夫等を募集し、その優劣によって定める方法
(3) パズル、クイズ等の解答を募集し、その正誤によって定める方法
(4) ボーリング、魚釣り、○○コンテストその他の競技、演技又は遊技等の優劣によって定める
方法(ただし、セールスコンテスト、陳列コンテスト等相手方事業者の取引高その他取引の
状況に関する優劣によって定める方法は含まれない)。 - 先着順について
来店又は申込みの先着順によって定めることは、「懸賞」に該当しない(「一般消費者 に対する景品類の提供に関する事項の制限」その他の告示の規制を受けることがある)。 - 告示第五項(カード合わせ)について
次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たらない。
(1) 異なる種類の符票の特定の組合せの提示を求めるが、取引の相手方が商品を購入する際の選
択によりその組合せを完成できる場合(カード合わせ以外の懸賞にも当たら ないが、
「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」その他の告示の規制 を受けること
がある)。
(2) 一点券、二点券、五点券というように、異なる点数の表示されている符票を与え、合計が
一定の点数に達すると、点数に応じて景品類を提供する場合(カード合わせには当たらない
が、購入の際には、何点の券が入つているかがわからないようになっている場合は、懸賞の
方法に当たる(本運用基準第1項(4)参照)。これがわかるように なつている場合は、「一般
消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」その他の 告示の規制を受けることがあ
る)。
(3) 符票の種類は二以上であるが、異種類の符票の組合せではなく、同種類の符票を一定個数提
示すれば景品類を提供する場合(カード合わせには当たらないが、購入の際にはいずれの種類
の符票が入っているかがわからないようになつている場合は、懸賞 の方法に当たる(本運用基
準第1項(3)参照)。これがわかるようになつている場合は、「一般消費者に対する景品類の提
供に関する事項の制限」その他の告示の規制を受けることがある)。 - 告示第二項の「懸賞に係る取引の価額」について
(1) 「一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限」の運用基準第一項(1)から(4)
までは、懸賞に係る取引の場合に準用する。
(2) 同一の取引に附随して二以上の懸賞による景品類提供が行われる場合については、次による。
ア 同一の事業者が行う場合は、別々の企画によるときであっても、これらを合算し た額の
景品類を提供したことになる。
イ 他の事業者と共同して行う場合は、別々の企画によるときであっても、それぞれ、共同
した事業者がこれらの額を合算した額の景品類を提供したことになる。
ウ 他の事業者と共同しないで、その懸賞の当選者に対して更に懸賞によつて景品類を追加し
た場合は、追加した事業者がこれらを合算した額の景品類を提供したこと になる。 - 懸賞により提供する景品類の限度について
懸賞に係る一の取引について、同一の企画で数回の景品類獲得の機会を与える場合であつても、その取引について定められている制限額を超えて景品類を提供してはならない(例えば、一枚の抽せん券により抽せんを行つて景品類を提供し、同一の抽せん券により更に抽せんを行って景品類を提供する場合にあっては、これらを合算した額が制限額を超えてはならない)。 - 告示第三項及び第四項の「懸賞に係る取引の予定総額」について懸賞販売実施期間中における対象商品の売上予定総額とする。
- 告示第四項第一号及び第三号の「一定の地域」について
(1) 小売業者又はサービス業者の行う告示第四項第一号又は第三号の共同懸賞については、そ
の店舗又は営業施設の所在する市町村(東京都にあつては、特別区又は市町村)の区域を
「一定の地域」として取り扱う。一の市町村(東京都にあつては、特別区又は市町村)の区域
よりも狭い地域における小売業者又はサービス業者の相当多数が共同する場合には、その業
種及びその地域における競争の状況等を勘案して判断する。
(2) 小売業者及びサービス業者以外の事業者の行う共同懸賞については、同種類の商品をその
懸賞販売の実施地域において供給している事業者の相当多数が参加する場合は、告示第四
項第三号に当たる。 - 告示第四項第二号の共同懸賞について商店街振興組合法の規定に基づき設立された商店街振興組合が主催して行う懸賞は、第四項第二号の共同懸賞に当たるものとして取り扱う。
- 告示第四項の「相当多数」について共同懸賞の参加者がその地域における「小売業者又はサービス業者」又は「一定の種類の事業を行う事業者」の過半数であり、かつ、通常共同懸賞に参加する者の大部分で ある場合は、「相当多数」に当たるものとして取り扱う。
- 告示第四項第三号の「一定の種類の事業」について日本標準産業分類の細分類として掲げられている種類の事業(例 一三一一 清涼飲料、七二三一 理容業、七六六三 ゴルフ場)は、原則として、「一定の種類の事業」に当たるものとして取り扱うが、これにより難い場合は、当該業種及び関連業種における競争の状況等を勘案して判断する。
- 共同懸賞への参加の不当な制限について次のような場合は、告示第四項ただし書の規定により、同項の規定による懸賞販売を行うことができない。
(1) 共同懸賞への参加資格を売上高等によつて限定し、又は特定の事業者団体の加入者、 特定
の事業者の取引先等に限定する場合
(2) 懸賞の実施に要する経費の負担、宣伝の方法、抽せん券の配分等について一部の者に対し不
利な取扱いをし、実際上共同懸賞に参加できないようにする場合
※引用 消費者庁・表示規制の概要:
http://www.caa.go.jp/representation/keihyo/keihin/keihingaiyo.html