コニファ・マメ知識:人工知能(Artificial Intelligence 略称AI)
人工知能(AI)とは
人工知能(artificial intelligence 略称AI )とは、人間が知能を使って行うことを機械にやらせようとする立場にたった試みや技術を指します。人工知能の研究は古くからあるものの、一般に普及するような実用的なレベルに至っていなかったものが、近年の急速に発達したコンピューターの高速な処理能力を活かして、蓄積した大量の知識(データ)から新しい結果を得たり(推論)、ある事象を調査し、その情報から将来使えそうな知識を見つけ出したり(学習)、また、それらの手法を組み合わせて、これまで人間にしかできなかった状況の変化の判断や、それに対応する動きを導き出すことが可能になってきました。
人工知能の課題
従来、人工知能の技術を進める上での課題のひとつとして「フレーム問題」がありました。現実に起こりうる事象全てに対処させようとした場合、振るい分けをしなければならない可能性が無限にあるため、いかに高速な処理能力があっても、そこから先へ進めなくなってしまうというものです。
また、従来の人工知能では、何百回、何千回計算しても、計算アルゴリズムは、最初と変わることが無く、もっと早く計算する方法に自ら気づくことはありませんでした。
ディープラーニング(深層学習)
近年、脳機能に見られるいくつかの特性を計算機上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデルである「ニューラルネットワーク(神経回路網)」を多層構造化した機械学習のディープラーニング(deep learning、深層学習)により、AIが大きく変わりつつあります。もっと効率の良い計算アルゴリズムを自ら生み出すことが可能で、専門分野に特化したものではなく汎用的に利用できる人工知能なども登場してきています。
Googleの人工知能「AlphaGo」
今年3月、Googleの人工知能「AlphaGo」が、世界でもっとも強いと言われているプロ棋士と囲碁対局5番勝負をおこないました。囲碁は19x19のマス目があり、局面の数にすると、将棋の10の220乗に対して、10の360乗と圧倒的に多いことから、人工知能が人間のプロ棋士と対等に対局するには、あと10年はかかる、といわれてきました。ところが、ふたを開けると、人工知能「AlphaGo」が、4勝1敗と勝利しました。このことで、人工知能への関心はさらに高まりをみせています。
マーケティングにおけるAIの活用
実店舗は、いつ(時間帯)、どんな客(性別、年齢層、服装、連れの人数、滞在時間など)が、店の中をどう移動し、どのpopを注目し、どの商品を物色し、どの商品(サイズ、色、分類など)をどのように(単品、同一品複数、多種複数など)購入したかをデータ化して分析できます。その結果から、売れ筋商品の品揃え、配置、価格帯、ターゲットの客層、popなどを最適化することで、売り上げアップが期待できます。データのうち、どの時間にどのようにどの商品を購入したかは、レジの記録で判りますが、その他の情報は、専門の調査員を配置でもしなければ取得できませんでした。それが、店内を映し出すwebカメラと、AIを稼働させるサーバーがあれば、画像認識の深層学習AIにより、性別、年齢、行動などを推定してデータ化してくれます。このデータの精度は、画像サンプル数が増える程、深層学習によって向上していきます。ケースによっては、ネット店舗より実店舗のほうが、最適化効果が望めることになるかもしれません
IoT(モノのインターネット)との連動
前出のwebカメラは以前から安価で入手できましたが、現在は、安価でかつ高精度化しています。また、webカメラ以外でも、光や音、熱、振動、磁気、加速度、漏液などといったセンサが安く供給されるようになったことで、IoT(モノのインターネット)が増え、それ等と連動するAI利用も拡大し続けています。